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売る|相続した土地

我孫子市で相続した土地の売却
まず「区域・地目・境界」の3つを確かめればOK

最終更新日:2026年11月3日 | 監修:山新司法書士事務所(登記)/須藤正孝税理士事務所(税制)

親から我孫子市の土地を相続したけれど、更地なのか畑なのか、売れるのかも分からない——そんな方向けの記事です。我孫子市は市の面積のおよそ3分の2が市街化調整区域(原則として家を建てられない区域)です。同じ我孫子市の土地でも、区域と地目(登記上の土地の種類)で、売れる相手も手続きもまったく変わります。

この記事の結論

  • 最初に確かめるのは「区域(市街化区域か調整区域か)」「地目(宅地か畑か)」「境界(隣との境目がはっきりしているか)」の3つです。あわせて、名義(相続登記)と相続人の意向も確認します。
  • 調整区域の土地は、家を建てられる人が限られます。ただし我孫子市の条例では、線引きの前から宅地で、市街化区域から1km以内・建物が40以上集まった地域なら、親族や農家でなくても、自分が住む家なら建てられる場合があります。
  • 畑は、農業委員会の許可か届出がないと売買が成り立ちません。我孫子市の許可申請の受付は毎月21〜25日だけです。
  • 相続人が遠くに住んでいても、全員が我孫子に集まらずに売る方法があります。

売却の全体の流れは相続した実家を売る流れ、相場は我孫子市の駅別の地価、税金の計算は売却にかかる税金で詳しく解説しています。この記事では、我孫子市の「土地」ならではの注意点に絞ってお伝えします。

最初に確かめる3つのこと:区域・地目・境界

区域:市街化区域か市街化調整区域かを、市の地図で確かめる

我孫子市の市街化区域(家やお店を建てる地域)は約1,615ヘクタールで、市のおよそ3分の1です。残りの約2,700ヘクタール、およそ3分の2が市街化調整区域(自然や農地を守るため、原則として家を建てない地域)です。市のページでは「用途地域の指定のない土地は全て市街化調整区域」と説明されています。

どちらに当たるかは、我孫子市の地図サービス「あびまっぷ」の都市計画図で調べられます。区域の決まった経緯は市の都市計画課(04-7185-1529)が窓口です。

地目:登記簿の「宅地」「畑」などと、今の使い方を確かめる

法務局で登記事項証明書(土地の登記簿)を取ると、名義人と地目が分かります。名義が亡くなった方のままなら、売る前に相続登記が必要です(相続登記の義務化)。地目が「畑」「田」なら、次の章の農地の手続きが必要になります。登記上は畑でも、実際には何年も前から駐車場や庭として使っている場合もあるため、今の使い方とあわせて確かめます。

境界:隣との境目を示す書類と杭があるかを確かめる

「地積測量図」「境界確認書」が法務局や家に残っているか、土地の角に境界杭(コンクリートや金属の目印)があるかを見ます。詳しくは境界の章で解説します。

3つの組み合わせで、売れる相手と手続きが決まる

区域と地目主な買い手必要な手続き相談先
市街化区域の宅地家を建てたい人・不動産会社など、幅広い通常の売買(特別な許可は不要)不動産会社
市街化区域の畑家や駐車場に使いたい人など農業委員会への届出(農地法5条)我孫子市農業委員会
調整区域の宅地条件に当たる人だけ(条例の条件しだい)家を建てる・建て替えるときに市長の許可が必要な場合が多い市街地整備課
調整区域の畑農家・農業法人など。家を建てる人は限られる農家へは3条許可、農地以外にするなら5条許可我孫子市農業委員会・市街地整備課

※ 表は一般的な整理です。実際に許可が出るかは土地ごとに審査されます。

市街化調整区域の土地は「誰が家を建てられるか」で売れ方が変わる

調整区域では、許可がないと原則として家を建てられない(我孫子市では市長が許可)

都市計画法43条により、市街化調整区域では、許可を受けなければ原則として建物を新築・改築したり、用途を変えたりできません。我孫子市では、この許可を出すのは市長です。ただし、農林漁業をしている人の住宅や農業用の施設などは、許可が要らないものとされています。

つまり調整区域の土地は、「買った人がそこに家を建てられるか」で、売れる相手の幅がまったく変わります。

我孫子市には「区域を決めて誰でも建てられる」条例はない

市によっては、調整区域の中に「この区域なら誰でも家を建ててよい」という区域を条例で決めています(都市計画法34条11号)。我孫子市の審査基準には、「本市では当号に基づく条例は制定していません」と書かれています。そのかわり、我孫子市開発行為に関する条例17条(法34条12号)で、建ててよい場合を一つずつ決めています。

条例17条で認める主なもの建てられる人
分家住宅線引きの前から土地を持っていた人の親族が、結婚などで自分の住む家を建てる
既存集落内の自己用住宅線引きの前から土地を持っていた人で、自分の住む家を持っていない人
線引き前からある家の増築・改築敷地と使い方を変えない場合
線引き前に住宅用に造成された区画給排水が整った区画で、自分の住む家を建てる人
6号:線引きの時点ですでに宅地だった土地条件を満たせば、親族などに限らず自分の住む家を建てる人

審査基準では、「線引きの前から土地を持っていた人」に、その人から順に相続して土地を引き継いだ人も含めています。

親族でなくても家を建てられる可能性がある土地:線引きの時点で宅地・市街化区域から1km以内・建物40以上

6号の主な条件は次のとおりです(このほかにも、敷地や道路などの基準があります)。

この条件に当たれば、親族や農家でなくても家を建てられる可能性があるため、一般の買い手に売りやすくなります。反対に、どの条件にも当たらない畑や雑種地は、家を建てたい人には原則として売れません。

「線引きの前から宅地だった」ことは、登記簿・既存宅地確認通知書・古い領収書・航空写真で示す

審査基準では、次の資料で判断するとしています。

親の家を片付けるときは、古い固定資産税の領収書や「既存宅地確認通知書」を捨てないでください。売れる相手を広げる証拠になることがあります。

分家住宅・農家住宅は、使う人が変わると許可が必要になる場合がある

分家住宅や農家住宅は、「その人だから建ててよい」と許可された家です。別の人が使う場合は、用途の変更として許可が必要になることがあります。我孫子市の基準では、建ててから10年以上たっていることが原則です。ただし、10年未満でも、申請する人の死亡や破産など、本当にやむを得ない場合は例外とされています。

⚠️ この許可を誰が申請できるか(相続人が住んでいない場合や、買う人が申請する場合など)は、基準の文面だけでは判断できません。分家住宅・農家住宅を売るときは、売り出す前に我孫子市の市街地整備課へ事前相談してください。

売り出す前に、市街地整備課へ事前相談する

調整区域の開発・建築の相談先は我孫子市の市街地整備課です。相談のときは、次の資料を持っていくと話が早く進みます。

調整区域の土地の値段の目安は、我孫子市の駅別の地価の調整区域の項目もあわせてご覧ください。

畑(農地)を売るときは、農業委員会を通した許可か、農業委員会への届出が必要

農地は、勝手に売り買いできません。許可を受けずにした売買は「効力を生じない」(農地法3条6項)と決められています。売り方は2つに分かれます。

農家に畑のまま売る:農地法3条の許可(約30日)

畑として使い続ける人に売るときは、我孫子市農業委員会の許可(農地法3条)が必要です。買う人が、耕作に必要な農作業に常に従事する(原則として年間150日以上)と認められない場合などは、原則として許可されません。申請から許可までの処理期間は約30日です。

家を建てる人などに売る:市街化区域は届出、調整区域は許可

畑の場所農地以外に使う人へ売るとき
市街化区域あらかじめ農業委員会に届出をすれば、許可は不要(農地法5条1項6号)
市街化調整区域農地法5条の許可が必要(処理期間は約30日)。さらに、家を建てるなら都市計画法の許可も別に必要

我孫子市農業委員会の許可申請の受付は毎月21〜25日。契約から許可まで、早くても1〜2か月はみておく

農業委員会の総会は毎月1回です(令和8年11月10日、12月8日、令和9年1月8日、2月9日、3月9日)。3条・4条・5条の許可申請は、総会がある月の前の月の21日から25日まで(開庁日、9:00〜16:30)に受け付けます。受付期間を過ぎると翌月の総会扱いになります。

たとえば12月8日の総会に出すなら、受付は11月21〜25日です。受付が月に5日間だけなので、売買の契約から許可まで早くても1〜2か月程度はみておくと安心です。受付日との兼ね合いや許可の種類によっては、それ以上かかることがあります(市の受付日と処理期間から当社で計算した目安です)。受付期間の前に事前相談するよう、市も勧めています。

このため農地の売買では、一般に「許可が下りたら売買が成立する」という条件を付けて契約し、許可のあとに代金の精算と名義変更をします。

畑を相続したら、おおむね10か月以内に農業委員会へ届け出る

相続で農地を取得した人は、遅滞なく(おおむね10か月以内に)農業委員会へ届け出ます(農地法3条の3)。登記事項証明書を付けて出します。この届出は、売るための許可とは別ものです。市のページにも「この届出により、農地法第3条第1項本文に掲げる権利の取得が認められるというものではありません」とあります。

窓口:我孫子市農業委員会事務局(我孫子市高野山新田193番地、04-7185-1483)。市役所本庁とは住所が違うので注意してください。

数字で見る我孫子市の農地の手続き:市街化区域の届出が一番多い

手続き(令和8年4〜8月の合計)件数
5条の届出(市街化区域・農地以外にするための売買など)30件
3条の許可申請(農地のままの売買・貸し借りなど)10件
5条の許可(市街化調整区域)7件
4条の届出(市街化区域・自分の農地を転用)5件
4条の許可(市街化調整区域)0件

市街化区域の畑は届出で動いているものが多く、調整区域の畑を農地以外に変える許可は5か月で7件です。調整区域の畑は、買い手探しに時間がかかる前提で計画を立てるのが現実的です。

隣との境目(境界)を確かめる:測量の費用と期間

境界が分かる書類と杭がそろっているかを確かめる

土地を売るときは、隣との境目がはっきりしていることを買う人から求められるのが一般的です。地積測量図・境界確認書・境界杭がそろっていない場合は、土地家屋調査士に依頼して、隣の人や道路を管理する役所と立ち会って境界を確認する確定測量をします。

確定測量の費用の目安:報酬ガイドの一例で全国平均約44万円(税抜・実費別)

日本土地家屋調査士会連合会の「土地家屋調査士 報酬ガイド」(2025年度のアンケート)では、宅地180㎡・隣の土地6筆を調べ、道路と隣の土地との境界を確認し、境界標を3点設ける例(土地地積更正登記)で、全国の平均が441,391円、中央値が421,000円(消費税別・実費別)です。

ただし報酬は事務所ごとに決めるもので(2003年8月から自由化)、ガイドも「見積りだけで判断せず、現地の状況や事情を説明、相談のうえ依頼」するよう書いています。隣の土地の数や道路との関係で金額は変わります。

確定測量の費用をどちらが負担するかは、法律で決まっておらず、売買の契約で決めます。売主が負担する例が多いとされていますが、買取などでは扱いが変わることもあります。当社にご相談いただいた場合は、測量を頼む前に、費用をどちらが負担するかをご説明します。

期間は、隣の人や役所の立会いの日程しだいで数か月かかることもある

確定測量の期間について、公的な目安は見当たりません。隣の土地の数や、立会いの日程が合うかどうかで変わり、数か月かかることもあります。売り出しの時期が決まっているなら、早めに相談しておくと安心です。

隣の人と話がまとまらないときは、法務局の「筆界特定制度」を使える(相続人も申請できる)

筆界特定制度は、法務局の筆界特定登記官が、もともとあった登記上の境界(筆界)を調べて明らかにする制度です。法務省は「土地の所有権がどこまであるのかを特定するものではありません」と説明しています。

かかる期間(標準処理期間)は法務局ごとに決めています。広島法務局・高知地方法務局は6か月、横浜地方法務局は9か月(令和7年10月1日以降の申請)としています。我孫子市の土地を扱う千葉地方法務局の期間は確認できなかったため、申請を考えるときは千葉地方法務局に直接お問い合わせください。

測量や手続きの前に、土地の値段の目安を見る

名前や電話番号の入力はいりません。近い駅を押して土地の広さを入れると、値段の目安が分かります。

※ 駅まわりの公的な地価(令和8年の国土交通省 地価公示・千葉県 地価調査)のまん中の値です。お持ちの土地の査定額ではありません。市街化調整区域や畑は、この値段より大きく下がることがあります。

「この土地、調整区域でも売れる?」から、ご相談ください

区域・地目・境界の書類がそろっていなくても大丈夫です。分かる範囲の情報で、売り方の方向性を一緒に整理します。測量・登記・税金は、必要に応じて専門家へのご相談をご案内します。当社では、市街化調整区域の土地や農地の売却のご相談もお受けしています(売れるかどうかや時期は、許可の見込みなど土地ごとに異なります)。

LINELINEで無料相談・無料査定› 電話で相談 0476-93-5555› お問い合わせフォーム›

※ ご相談・査定は無料です。登記・測量・税申告などの実費、売買成立時の仲介手数料等は別途必要になることがあります。

古い家が建っている土地は、家付きで売るか更地にするかを決める

固定資産税は1月1日の状態で決まる。解体する時期に注意する

固定資産税は、毎年1月1日の状態で決まります(地方税法359条)。家が建っている土地は「住宅用地の特例」で、土地の税金の計算のもとになる額が200㎡以下の部分は6分の1、それを超える部分は3分の1に下がっています(同法349条の3の2)。年内に家を取り壊して翌年1月1日に家がないと、原則として翌年度からこの特例が外れます。なお、空家法の勧告を受けた管理不全空家・特定空家の敷地も、特例の対象外です。

解体の費用や判断の目安は解体して売るか、古家付きで売るか、固定資産税の仕組みは相続した不動産の固定資産税で詳しく解説しています。

空き家の3,000万円控除は「土地だけ」の売却でも使える場合と使えない場合がある

相続した空き家の3,000万円特別控除(租税特別措置法35条3項)は、親が住んでいた家とその敷地を相続した人が対象です。令和9年12月31日までの売却で、相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ることなどが条件です。土地だけを売る場合は、次のように分かれます。

ケース使えるか
相続後に家を取り壊し、更地で売る(相続のあと、誰も住んでいない・貸していない・事業に使っていない。取り壊したあとも駐車場などにしていない)○ ほかの条件を満たせば使える(35条3項2号)
家付きで売り、売った年の翌年2月15日までに買う人が取り壊す○ 令和6年1月1日以後の売却なら使える(35条3項3号)
亡くなった時点で、すでに更地・畑・駐車場だった× 親が住んでいた家の敷地に当たらない
取り壊したあと、売るまでの間に駐車場として貸した× 貸付けや構築物の敷地に使った期間がある
家は兄、土地は自分、と別々の相続人が取得した使えない可能性がある。条文の読み方の問題なので、必ず税理士に確認してください

家は昭和56年5月31日以前に建てられたものであることなどの条件があり、家と土地を相続で取得した人が3人以上いる場合は、1人あたりの上限が2,000万円になります(令和6年1月1日以後の売却)。我孫子市で必要な「被相続人居住用家屋等確認書」は、市民安全課 防犯・空家対策係で、手数料なし・7〜10日程度・郵送もできます。取り壊したあとに土地だけ売る場合の様式もあります。条件の詳細は空き家3,000万円特別控除の要件をご覧ください。

売ったあとに売主が負う責任を、契約の前に確かめる

「契約不適合責任」とは、契約の内容と違っていたときに売主が負う責任

売った土地が、種類・品質・数量について契約の内容と合っていなかったとき、買った人は売主に、直すことや足りない分の引渡し(民法562条)、代金を下げること(563条)、損害賠償や契約の解除(564条)を求めることができます。

土地で問題になりやすいのは、地中の埋設物・土の汚れ・境界・面積の4つ

親の土地の昔の使い方は、相続人もよく知らないことが多いものです。知っていること(昔あった井戸・浄化槽など)は、契約の前にすべて伝えるのが、あとのトラブルを防ぐために、とても大切です。

個人が売主なら、責任の範囲は契約で決める。宅建業法40条は業者が売主のときの決まり

宅地建物取引業法40条は、不動産会社が自ら売主になるときに、責任の期間を引渡しから2年以上とする特約などを除き、買う人に不利な約束を禁じる決まりです。相続人が個人として売るときは、仲介で個人に売る場合も、不動産会社に買い取ってもらう場合も、この40条は当てはまりません。責任を負うか・何か月負うかは、契約書で決めることになります(ただし上の572条の制限はあります)。

実際の扱いは会社や契約ごとに違います。当社が買い取る場合も、売主様が負う責任の範囲(責任を負うかどうか・負う期間)を契約書に書き、契約の前にご説明します。仲介と買取のどちらにするかは、価格・スピードとあわせて、契約書の責任の条項を必ず確かめてから選んでください。仲介と買取の比較は空き家・実家を売る/買い取ってもらうにはと相続した不動産が売れない原因と対処法で整理しています。

相続人が複数・遠方に住んでいるときの売り方

まず相続登記をする(取得を知った日から3年以内の義務)

相続で不動産を取得した人は、相続が始まったことと、自分が取得したことを知った日から3年以内に相続登記を申請する義務があります(不動産登記法76条の2)。2024年4月1日より前の相続は、2027年3月31日までです。亡くなった方の名義のままでは、売買による名義変更ができません。手続きは相続登記の義務化と相続登記は自分でできる?をご覧ください。

売り方は3つ。全員の名義で売る・代表の1人の名義で売る・自分の持分だけ売る

売り方どうするか注意点
全員の名義で売る相続人全員の共有で登記し、全員が売主になる全員の同意と書類がそろわないと進まない
代表の1人の名義で売る(換価分割)遺産分割協議書に「売って代金を分ける」ことと分ける割合を書き、代表者の名義で売る分ける割合を確定申告の期限までに決める(下で説明)
自分の持分だけ売る共有のうち自分の分だけを売る買い手がかなり限られる(共有名義の記事へ)

代表の1人の名義で売るときは、代金を分ける割合を確定申告の期限までに決める

国税庁の質疑応答事例では、遺産を売った時点で代金を分ける割合が決まっていれば、その割合で各相続人が譲渡所得を申告します。決まっていない場合は、原則として法定相続分で申告します。ただし、所得税の確定申告の期限までに代金が分けられ、相続人全員がその割合で申告した場合は、その申告が認められます。期限を過ぎてから分けても、それを理由に申告を直す(更正の請求)ことはできません。

遺産分割協議書の書き方は遺産分割協議書(不動産)の書き方を、申告は税理士にご相談ください。

決済の日に我孫子へ来なくても売れる:司法書士の本人確認・委任状・3か月以内の印鑑証明書

代金の受け取りと名義変更をする日(決済の日)に、相続人全員が集まる必要はありません。司法書士が事前に本人確認をして、委任状と印鑑証明書を受け取っておけば、当日来なくてよい形にできます。登記に付ける印鑑証明書は作成後3か月以内のものが必要です(不動産登記令16条・18条)。本人確認の方法(面談など)は司法書士によって異なるため、早めに日程を相談してください。代金は事前に決めた口座への振込にし、売買契約書は郵送で順に署名するなどの方法もあります。

連絡が取れない相続人がいるときは、早めに専門家へ相談する

所在が分からない共有者の持分を、裁判所の許可を得て売る制度(民法262条の3)があります。ただし、その持分が相続財産で遺産分割をすべき場合は、相続開始から10年を経過していないと使えません。それまでは別の手続きを検討することになります。どの手続きを使うかは状況によって違うため、相談先の選び方を参考に、弁護士・司法書士へご相談ください。

土地を売ったときに使える税金の特例

税金の計算方法は相続した不動産の売却にかかる税金で解説しています。ここでは、土地の売却で確かめたい特例を3つに絞ります。

相続税を納めた人は、3年10か月以内に売ると「取得費加算」を使える

相続税が課税された人が、相続開始の翌日から相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日まで(相続開始から3年10か月以内)に売ると、納めた相続税の一部を取得費に加えられます。空き家の3,000万円控除とは併用できず、どちらかを選びます。詳しくは取得費加算の特例をご覧ください。

500万円・800万円以下で売る土地は、100万円の控除を使える場合がある

「低未利用土地等の100万円特別控除」(租税特別措置法35条の3)は、使われていない土地などを安い価格で売ったとき、譲渡所得から最大100万円を差し引ける特例です。令和2年7月1日から令和10年12月31日までの売却が対象です。主な条件は次のとおりです。

我孫子市で当てはめると、市街化区域の土地は800万円以下、市街化調整区域の土地は原則500万円以下が上限です(所有者不明土地対策計画を作った市町村の区域は800万円以下になります。我孫子市が当たるかは市にご確認ください)。相続した土地は、亡くなった方が持っていた期間を引き継ぐ扱い(所得税法60条)とされていますが、所有期間の数え方や確認書の申請窓口は、売る前に税理士・我孫子市にご確認ください。

3つの特例は、組み合わせによって一緒に使えないものがある

空き家の3,000万円控除と取得費加算は併用できません。100万円控除も、ほかの譲渡所得の特例と一緒には使えない決まりがあります。どれを使うと手取りが一番多くなるかは、売る前に税理士と試算してください。

⚠️ 判断は土地ごとに大きく変わります。区域・地目・境界・相続人の状況によって、使える売り方や特例が変わります。許可の可否は我孫子市・農業委員会、登記は司法書士、税金は税理士に、最終的には専門家へご確認ください。

よくある質問

相続した畑を、家を建てたい人に売れますか?
区域で答えが変わります。市街化区域の畑なら、農業委員会への届出をすれば、家を建てる人などに売ることができます。市街化調整区域の畑は、農地法の許可に加えて、その土地に家を建ててよいという都市計画法の許可も必要になり、建てられる人が限られます。まず区域を確かめ、我孫子市農業委員会(04-7185-1483)と市街地整備課に事前相談してください。
測量は、売ると決める前にしたほうがよいですか?
先に測量を頼む必要はありません。境界を示す書類(地積測量図・境界確認書)や境界杭があるかを確かめ、査定のときに不動産会社に見せて相談するのが順番です。確定測量は全国平均で約44万円(税抜・実費別、日本土地家屋調査士会連合会の2025年度の報酬ガイドの一例)かかり、隣の土地の数などによって期間も数か月かかることがあるため、売り方が決まってから頼むのが一般的です。
昔の家が取り壊されて今は更地です。市街化調整区域でも家を建てられますか?
条件しだいです。我孫子市の条例では、線引きの時点ですでに宅地だった土地で、市街化区域から1キロメートル以内、半径150メートルの範囲に40以上の建物が集まっている地域なら、自分が住む家を建てられる場合があります。宅地だったことは登記簿や既存宅地確認通知書、古い固定資産税の領収書、航空写真などで確かめます。当てはまるかは、我孫子市の市街地整備課に事前相談して確認してください。
きょうだいが東京と大阪に住んでいます。全員そろわないと売れませんか?
全員が我孫子に来なくても売ることはできます。たとえば、代表の1人の名義に登記して売り、代金を分ける方法(換価分割)や、全員の名義で売り、決済の日は司法書士に委任する方法があります。委任のときに付ける印鑑証明書は作成後3か月以内のものが必要です。換価分割で代金を分ける割合は、譲渡所得の確定申告の期限までに決めておかないと、原則として法定相続分で申告することになるため、税理士にもご相談ください。
境界杭が見当たりません。それでも売れますか?
売れないわけではありません。ただし、買う人や金融機関から境界をはっきりさせるよう求められることが多いため、土地家屋調査士に依頼して隣の人と境界を確認する(確定測量)のが一般的です。隣の人と話がまとまらないときは、法務局の筆界特定制度を使えます。相続人も申請できます。

売れる見込みが低い土地の手放し方はいらない土地を国に返す「相続土地国庫帰属制度」、査定の受け方は我孫子市の不動産査定で解説しています。

参考にした公的資料

いずれも2026年11月3日に確認しました。

資料の一覧を開く(29件)

我孫子市「区域区分(市街化区域・市街化調整区域)」 https://www.city.abiko.chiba.jp/shisei/toshiseibi/keikaku/kuikikubun.html

我孫子市「我孫子市開発行為に関する条例等、開発行為等運用・審査基準」 https://www.city.abiko.chiba.jp/jigyousha/kaihatsu_shinsei/koui/jorei_kijun.html

我孫子市開発行為に関する条例(令和8年3月23日、17条6号) https://www.city.abiko.chiba.jp/jigyousha/kaihatsu_shinsei/koui/jorei_kijun.files/080323jyourei.pdf

同 審査基準 第8章 市街化調整区域の開発許可の基準 https://www.city.abiko.chiba.jp/jigyousha/kaihatsu_shinsei/koui/jorei_kijun.files/080401shinnsakijyunnn8syou.pdf

同 審査基準 第12章 市街化調整区域の建築制限 https://www.city.abiko.chiba.jp/jigyousha/kaihatsu_shinsei/koui/jorei_kijun.files/R4.4.1dai12syou.pdf

我孫子市農業委員会「農地法に関する手続き(売買・贈与・賃借等)」 https://www.city.abiko.chiba.jp/jigyousha/noukoushou/nogyo/nogyoiinkai/3jou20240222.html

我孫子市農業委員会「農地の転用手続きについて」 https://www.city.abiko.chiba.jp/jigyousha/noukoushou/nogyo/nogyoiinkai/tennyou20240222.html

我孫子市農業委員会「農地の転用届と相続等による権利取得時の届出」 https://www.city.abiko.chiba.jp/jigyousha/noukoushou/nogyo/nogyoiinkai/tenyoutotdoke.html

我孫子市農業委員会「農業委員会総会の日程と附議案件の申請受付」 https://www.city.abiko.chiba.jp/jigyousha/noukoushou/nogyo/nogyoiinkai/sokai_schedule.html

我孫子市農業委員会「農地法に基づく手続き件数」 https://www.city.abiko.chiba.jp/jigyousha/noukoushou/nogyo/nogyoiinkai/kennsuu20260618.html

我孫子市「相続した空き家の譲渡所得3,000万円特別控除」 https://www.city.abiko.chiba.jp/anshin/bouhan/torikumi/akiya3000.html

法務省「筆界特定制度」 https://www.moj.go.jp/MINJI/minji104.html

広島法務局「筆界特定」(標準処理期間) https://houmukyoku.moj.go.jp/hiroshima/static/131016-2.htm

高知地方法務局「筆界特定制度」 https://houmukyoku.moj.go.jp/kochi/static/hitukaitokutei.html

横浜地方法務局(筆界特定の標準処理期間) https://houmukyoku.moj.go.jp/yokohama/content/001447038.pdf

日本土地家屋調査士会連合会「土地家屋調査士 報酬ガイド(2025年度アンケートによる)」 https://www.chosashi.or.jp/media/hoshuguide_single_r07.pdf

国税庁「No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3306.htm

国税庁「No.3267 相続財産を譲渡した場合の取得費の特例」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3267.htm

国税庁「No.3226 低未利用土地等を売った場合の長期譲渡所得の特別控除」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3226.htm

国税庁 質疑応答事例「未分割遺産を換価したことによる譲渡所得の申告とその後分割が確定したことによる更正の請求、修正申告等」 https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/joto/09/01.htm

e-Gov法令検索「民法」第262条の3・第562条〜第564条・第566条・第572条 https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089

e-Gov法令検索「宅地建物取引業法」第40条 https://laws.e-gov.go.jp/law/327AC1000000176

e-Gov法令検索「不動産登記法」第76条の2・第123条 https://laws.e-gov.go.jp/law/416AC0000000123

e-Gov法令検索「不動産登記令」第16条・第18条 https://laws.e-gov.go.jp/law/416CO0000000379

e-Gov法令検索「都市計画法」第43条 https://laws.e-gov.go.jp/law/343AC0000000100

e-Gov法令検索「農地法」第3条・第3条の3・第5条 https://laws.e-gov.go.jp/law/327AC0000000229

e-Gov法令検索「地方税法」第349条の3の2・第359条 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000226

e-Gov法令検索「租税特別措置法」第35条・第35条の3 https://laws.e-gov.go.jp/law/332AC0000000026

e-Gov法令検索「所得税法」第60条 https://laws.e-gov.go.jp/law/340AC0000000033

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